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11月6日は、平成27年度 構造工学コース 卒業研究中間発表会です。

朝晩は冷え込み、冬が近づいていますが皆様いかがお過ごしでしょうか。

 

 今回は、来る平成27年11月6日(金曜日)に開催予定である構造工学コース 卒業研究中間発表会についてご紹介したいと思います。

 

 ご覧になっている高校生にはあまり馴染みがない言葉であると思いますので、まずは簡単に卒業研究発表会について説明致します。

 ほとんどの大学では、学部を卒業する予定である4年生に卒業研究を課します。学部や学科によっては、建物を設計させる卒業設計や、絵画を描かせる卒業制作を課す場合もあるようですが、長崎大学の構造工学コースでは各自、テーマを設定し研究を課すことになっています。

各自のテーマは、研究室の指導教員の研究にそって設定します。基本的に1人1テーマですが、研究によっては2人1組で協力し合いながら研究を行うこともあります。現在、構造工学コースには9つの研究室があり、今年は約35名の4年生が配属されています。よって今年は約30テーマの卒業研究が発表されることになると予想されます。

 私は、この様に毎年研究成果が発表されることは非常に重要なことであると思います。高校生の皆様にはあまり想像しにくいかと思いますので、ここで日本における大学生の数を考えてみましょう。文科省によると日本の大学生は約285万人いるとされています。簡単に言うとこれだけの数の事柄が新しく発見され、研究の成果として世の中に発表されているということになります。このことから世の中はまだまだわからないことだらけである、と私は思っています。現在、高校生の皆様が頑張っている勉強は研究をする際の糧になるはずです。受験を意識することも大切ですが、新たな発見をするという視点を持って勉強に取り組めたら勉強が楽しくなるかもしれません。

 

 さて、前置きが長くなりましたが構造工学コースの中間発表準備中の様子を紹介したいと思います。

 まず、吉武研究室の坂本竜二郎君です。(写真手前)彼は、機械構造物に設置する制振装置に関する研究をしています。

 現在は中間発表会に向けてアブストラクト作成(研究内容の概要)の指導を受けています。卒業研究中間発表会前になると大学院生(写真奥・中山君 修士1年)の力を借りながら研究内容を2ページ程度にまとめて提出します。

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Q 小原:卒業研究中間発表会の準備をしていて感じたことを教えてください。

A 坂本:

 私の研究では実験と解析両方をしています。研究テーマが決まってからは、まず先輩から研究内容の引き継ぎをして頂きました。その際に解析プログラムの一部を変更する必要があることを伝えられ、私に課せられた最初の仕事は解析時に使用するプログラムの改善になりました。プログラミングは3年生までの講義で習いましたが、苦手意識があったため、当時は、授業の後に学校に残り講義内容の復習をして、わからないことは大学院生のいる研究室まで行って質問することで克服する努力をしました。それでも4年に生になった時は、研究レベルでのプログラミングが自分にできるか不安に思いました。しかし、講義ノートを見返して、わからないことは先輩に教えてもらいながら時間をかけてプログラムを考え続けた結果、以前より精度のよい解析結果を得ることが出来ました。

 今回の卒業研究中間発表会の準備を通して感じたことは、学部で教わる科目は難しいですが研究をするためには必要な知識であり、どんな些細な事柄でも思いがけないところで役に立つことがあるということです。将来は何が必要になるかわからないので、苦手なことや役に立たなそうな事柄に対しても全力で取り組むことが大切だと実感しました。

 

  次に、勝田研究室の4年生の桑原貴翔君です。彼は、鋼の疲労寿命に関する研究しています。

 桑原君は既に実験を終えてデータ整理、アブストラクト作成を行っているそうですが、研究室を離れて工学部1号館1階にある実験室で写真を撮らせて頂きました。

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Q 小原:研究のどんなところが楽しいですか?

A 桑原:

 私は研究で主に実験を行ってきました。実験を行う際は、高校生の皆さんが夏休みの自由研究でやったようにどんな結果が得られるかを事前に考えます。私は研究室に配属された当初、わからないことばかりでしたが本研究で重要な理論(原理原則)を勉強してから実験をしました。先輩方と一緒に実験は行うのですが、正直上手くいくか心配していました。しかし、得られた実験結果は事前に予想していた通りになっており感動したことを覚えています。紙の上でしか考えていたことがなかった現象が原理原則に従い、目の前で現実となったことに研究活動の面白さを感じました。これから先は、得られた結果を使ってまた研究を進めていくのでまだまだ面白いことがわかってくるのではないかと楽しみにしています。

 

ここで紹介した2人以外の4年生も一生懸命、卒業研究中間発表の準備をしていました。

 記事をご覧になられている卒業生の皆様も卒業研究に関する様々な思い出があると思います。楽しくもあり、辛くもあるこの卒業研究。私は頑張った分だけ成長できる、学部として最後の課題であると考えています。4年生にとってもこれからの人生で糧になるよう、大学院生としてサポートしていきたいと思います。

小原貴也

 

 

 

プロフィール

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小原貴也 修士1年

長崎大学大学院 工学研究科 総合工学専攻(構造)修士1年 勝田研究室
趣味は、スノーケリングです。海の中には感動的な世界が広がっています。
写真は宮古島でダイビングした時のものです。 

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