構造工学とは

構造工学とは

構造工学コースとは

構造工学コースとは、私たちのまわりにある建物、自動車、航空機、船舶、橋など形のある『もの』を対象に学ぶコースです。これらの『もの』は、一般的に《構造物》と呼ばれ、私たちの生活にとって欠くことのできないものばかりです。本コースは、《構造物》を造る技術者や研究者を養成するために、1967年に我が国で最初に設立されたユニークな学科「構造工学科」がその基礎になっています。設立以来、建築、自動車、航空機、船舶、橋梁など多くの産業分野に技術者や研究者を送り出してきました。

各方面からみた構造工学を各教員が解説します。

構造物の振動

吉武 裕

構造工学コースが考える構造物とは自動車,航空機,建物,橋,船舶など形あるもの全てを含みます。ご存じのようにこれらは全て振動するものです。さらに言えば、人の内臓でさえ振動します。これらは大きさや形、材質まで異なりますが、数式で表せば、ほぼ同じ形の式になります。従って、それらは同一の振動理論で説明することができます。また、ものが変わっても全く同じタイプの振動が発生することがあります。例えば、以下の構造物はそれぞれ同じタイプの振動を行います。

  • 地震による建物の振動、路面の凹凸による車の振動、歯形誤差をもつ歯車の振動
  • ブランコの振動とアメリカンクラッカー
  • 季節風による建物の振動とマジックパイプ

さらに、免震構造物と洗濯機は振動を少なくするための原理は同じです。同じ設計思想の基に作られています。

長崎大学工学部構造工学コースで対象にとらわれない理論を学ぶことにより、どのような産業分野に就職しても活躍できるでしょう。

ゴシック聖堂は なぜステンドグラスが美しいのか

安武 敦子


ロマネスク様式までの教会は壁は厚く,窓も小さなものでした。ステンドグラスをはじめとする大きな窓が入れられ,教会堂が一気に明るくなるのはゴシック様式(12世紀)以降のことです。これは構造力学的発展によるところが大きいと言われます。


教会は一般に,入口から祭壇に向かうメインの中央通路とその両脇にある側廊で構成され,断面で考えると,中央通路が高く,側廊が低くなっています。ロマネスク様式では,中央天井のアーチ状の梁の下部が,外へ開こうとする力を堂内の柱と側廊のアーチで受け止めていました。それがゴシック様式になると,側廊の屋根より高い位置でフライング・バットレス(飛び梁)が外部に張り出し,力を伝え,控え壁で支えます。パリのノートルダム寺院を背後から見るとたくさんのフライング・バッドレスを見ることができます(写真)。

この構造的アイデアにより,中央通路部を高くすることができ,光による荘厳な空間が生まれ,ゴシック様式は各地に広まっていったと考えられます。デザインと構造は別個ではなく一体だという良い例です。
ルイ・グロテッキ著・前川道郎 黒岩俊介訳『図説世界建築史 ゴシック建築』(本の友社)

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