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JSCA九州 25周年記念事業 構造デザイン発表会 その2

こんにちは。皆さんお元気でしょうか?

 

いよいよ、7月11日金曜日に JSCA九州 25周年記念事業 構造デザイン発表会が開催されます。

先月の記事では、JSCA九州の皆さんから”建築構造”と”JSCA”について教えて頂きました。今回は”構造デザイン発表会”について教えて頂きたいと思います。記事を読んで興味を持った方や、建築を目指す学生は会場に足を運んで頂きたいと思います。

では、さっそくJSCAの方々に質問に答えて頂きたいと思います。

 

JSCA九州 25周年記念事業 構造デザイン発表会について

 

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左の写真 撮影:大野博之氏

Q1.

構造デザイン発表会の見どころは?

A1.

「建築構造」という一般社会にはまだなじみのない業種の団体が、25年の間存続しており、さらに発展してくために、九州各県での成果を『構造デザイン』という形で発表し、若い人を中心に盛り上げていきたいと思います。その様子を会場にて実感して頂きたいと思います。

構造デザイン発表会は、九州各地の若い構造技術者達が構造デザインという視点から自身の設計した建物をプレゼンテーションする場です。様々な種類の建築構造物が発表されるので、どれも見逃せません。一方パネルディスカッションは、ベテラン技術者3名のパネラーに「これからの構造デザイン」というテーマのもと経験談を交えてディスカッションしていただきます。若手とベテランの異なる視点から、構造デザインに対する思いや考えが聞けるとてもよい機会です。

 

Q2.

テーマの“明日を創る”に込められた思い(言葉の意味)は?

A2.

「明日を創る」というテーマは敢えて抽象的なものとしていますが、「構造設計者や構造設計のこれからを考える」という思いが込められています。日本経済の停滞、少子高齢化、グローバル化と社会が変化していく中、震災の経験を踏まえての安全・安心な建築やサステナブル(持続可能)な建築が求められています。このような状況の中で構造デザインが目指すべきもの、構造設計者の役割について考えることをメーンテーマとしています。

建築主が建物を建てようとするとき、設計者・施工者が力を合わせて造り上げ、その建物が地域に生まれることで、建物の寿命の中に新しい未来が始まります。この建築空間の持つ力によって、それを利用する人々が笑顔で幸せな気持ちになり、明日の社会をより良いものとしていければと思います。

 

Q3.

“構造エンジニアリング力の新たなる展開”とは?

A3.

縁の下の力持ちの位置付けであった構造設計の役割は、地震被害の減少のための新旧の建物に対する安全安心を保っていく中で、その重要な役割が少しずつ認知されており、求められている建物の価値の中に建築構造の意義をさらに多岐に高めていくことを目指しています。さらに、構造には建築空間を決定する力(構造デザイン)があり、これからは構造エンジニアリング力からデザインへの新たなる展開がより大切になると思います。

 

Q4.

今回出品される建築家はどんな人たち?(出品者のキャリヤや建築構造をどう思っているかなど)

A4.

構造デザイン発表会は、経験年数が数年の若手から経験20年以上のベテランまで総勢16名が発表します。発表者の所属は、個人で設計事務所を経営している人、構造設計事務所や総合設計事務所に勤めている人、ゼネコンの設計部の人など様々です。発表者が建築構造や構造デザインについてどう思っているかは、是非会場に足を運んでその声を聞いて感じてください。

 

Q5.

パネルディスカッションテーマを『これからの構造デザイン』にした理由は?

A5.

JSCA25周年記念のメーンテーマである“明日を創る”にちなみ、21世紀における構造デザインの方向性や可能性について、パネラーや観客を含めて議論したいと考え、このテーマとしました。

特に、これからの未来を担う若い構造技術者の方々に、構造デザインのあり方について考えて実践して頂きたいという主旨から、ベテラン構造家のパネリスト達からの熱いメッセージを伝え、それを会場の皆様が受け取って盛り上げて欲しいと思います。

 

Q6.

パネラーの金箱さん、許斐さん、尾宮さんはどんな方ですか?

A6.

全員が現役の構造技術者で、最前線で活躍されている方々です。金箱温春氏はJSCAの現会長であり、許斐信三氏と尾宮洋一氏は以前JSCA九州支部の支部長を務められた方々です。また、3名ともJSCA賞の受賞経験者でもある素晴らしい経歴の持ち主です。3名の主な作品は以下の通りです。

金箱氏:京都駅ビル、表参道ヒルズ、新広島球場など

許斐氏:マリンメッセ福岡、ザ・ランドマークタワー(ジャカルタ)など

尾宮氏:沖縄サミットアメニティ棟、再春館製薬所など

 

Q7.

パネルディスカッションの焦点は?

A7.

構造設計を取り巻く現代社会の風潮として、環境配慮の重要性、自然災害対策の重要性、建築デザインの多様化などがありますが、その中で建築構造技術者としてどのような構造デザインが考えられるか、立場が異なる(金箱氏は個人設計事務所概代表、許斐さんは元組織設計事務所支部長、尾宮氏は大手総合建設業(ゼネコン)設計部長)三人のベテラン構造技術者の考えを聞き、会場のみなさんと一緒に議論したいと考えています。

これまでの構造デザインはどうだったのか、そして今後の構造デザインはどうあるべきかという点に焦点をあててディスカッションされる予定です。

大切な事は、パネリストの話を聞くだけでなく、会場の参加者全員が自分のこととして望むことであり、数多くの意見が出ることを期待しています。

 

Q8.

来場者にどんなことを感じてほしい?

A8.

設計者として、施工者として、それをサポートする立場として、建築物における多種多様な価値を、建築物に吹き込もうとしている人たちの姿を実感し、ベテラン技術者の経験と構造デザインに対する思い、次世代の技術者に向けたメッセージを感じ取って欲しいと思います。

そして、ただ参加して話を聞くだけでなく、積極的に発言したり交流したりすることで、ご自身の意識を少しでも高めて頂ければと思います。

 

Q9.

様々な方が来場されることになると思いますが、来場される方々に一言お願いします。

A9.

九州には若手からベテランまで多くの建築構造技術者がいるということ、そして「構造デザイン」というものがどの様なものであるのか知っていただきたいと思います。そして、建築構造に、構造設計者に、もっと注目して頂きたいです。学生の方々には、建築構造の楽しさ・素晴らしさを感じてもらい、ぜひ建築構造の世界へ進みたいと思って頂けたら幸いです。

 

 

 

JSCA九州の皆さん、前回に引き続き、取材へのご協力ありがとうございました。多くの人が会場を訪れ、発表会が成功することを心より願っております。

本当にありがとうございました!

 

今回は、JSCA九州 25周年記念事業についてお届けいたしましたが、いかがでしょうか?

当日は、構造技術者や構造デザインについて熱い議論が繰り広げられることになると思います。当然その中には、学生の間では気付くことができないこともあるはずです。JSCA九州 25周年記念事業に参加することによって、今までの自分には無かった考え方を身につけることで技術者として成長できるのではないのかなと思います。構造工学コースの皆さん、是非、会場に足を運んでみてください。

 

最後までご覧頂きありがとうございました。

 

担当 勝田研究室 学部4年 小原 貴也

プロフィール

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小原貴也 修士1年

長崎大学大学院 工学研究科 総合工学専攻(構造)修士1年 勝田研究室
趣味は、スノーケリングです。海の中には感動的な世界が広がっています。
写真は宮古島でダイビングした時のものです。 

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