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新コース長の挨拶

新入生の皆さん,ご入学,誠におめでとうございます。

 

コース長を務めるのは2022年度以来,2度目となります。当時から3年が経過しました。新型コロナウイルスは一見,収束したかに見えていましたが,引き続きインフルエンザウイルス感染症と並んで我々が注意すべき感染症として潜在しています。ロシアとウクライナの戦争が始まってから3年以上が経過し,停戦に向けた動きはあるものの予断を許さない状況が続いています。アメリカではトランプ第二次政権が誕生し,アメリカに輸入される自動車に対し,25%関税をかけることを発表しました。食料品,生活用品から工業製品に至るまで,さまざまな物の価格が高騰するなか,エネルギー価格の高騰により,わが国の自動車産業はもちろんのこと,各種産業には先行きが不透明な状況が続いています。

 

世界各国で脱炭素化に向けた動きが加速する一方で,パリ協定から離脱することを表明したアメリカは,2026年に離脱予定となっています。中東情勢も緊迫化しています。そのようななか,日本のエネルギー自給率は12.6%(2022年度)と低い割合に止まっています。今年2月に発表された第7次エネルギー基本計画によると,2040年には,総発電電力量のうち,再生エネルギーの割合を4~5割に引き上げ,また同時に,原子力の割合も2割程度に引き上げられることになりました。エネルギー安全保障確保の重要性から,化石資源に乏しいわが国ではやむを得ないことのようですが,原子力の割合が増加したことについては一歩後退した感が否めません。他方,環境先進国として世界をリードするドイツでは,2035年以降,国内の電力供給をほぼ完全に再生可能エネルギーによって賄うことを目指す方針が示されています。エネルギー資源に乏しい日本においても,2050年のカーボンニュートラル達成に向けて,再生エネルギーの比率をさらに高めていく必要があります。

 

このような状況を打開するには,新たな技術革新と国民の意識改革が必要です。人口減少社会にあって,若い皆さんの力は不可欠です。技術革新を生み出すために,また,我々を取り巻く社会のさまざまな問題を解決するために,工学の力が大いに期待されています。構造工学コースは,工学分野のうち,建築,土木,機械分野を幅広く学ぶことができる全国に類を見ない唯一の特色を持つコースです。これからの社会に対応していく力を身に付けるためには,単一分野の知識を学ぶだけでは不十分であり,周辺領域と融合した分野を多角的に学ぶことが重要です。まずは,これまでの受験勉強から離れて自由に興味のある“学び”を探してみてください。“学び”とは暗記することではなく理解することです。大学では,ぜひ理解することにチャレンジしてみてください。当コースに入学された皆さんが,専門知識を修得し,積み上げていくことで,将来,必ず,日本の技術を支える貴重な人材となることと期待しています。

 

これから,皆さんと一緒に学んでいくことを教職員一同,楽しみにしています。

 

2025年度コース長 源城 かほり

 

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