新コース長からのメッセージ

2017年度コース長
玉井 宏章
コース長の玉井と申します.本日(4月5日),新入生43名をお迎えしました.その内12名の女子学生がいます.
それぞれ工学分野の”ものつくり”のエキスパートを目指しておられ,正門の桜のように生き生きとした目をされています.
この2~3月では自身が就職担当ということもあり就職開拓や学会活動で各企業,事務所を訪問した折のエピソードをお話して,学生の就職や活躍先を例示したいと思います.
東日本大震災の復興建設,オリンピック施設建設,長崎県・市庁舎,長崎駅舎新営を受け建設業に関しては県内外を問わず好調です.名古屋地区では,電気自動車車体設計,国産中型旅客機マイナーチェンジの設計を背景に指名の求人もきています.国の電力政策の変更もあり,火力発電施設設計,大容量送電鉄塔設計の求人も多数いただいています.国外プラントでは,カナダでのシェールガスプラント施設設計,メキシコにおける国内自動車メーカー製造施設設計の求人もきています.
工学系の設計者として期待されていることがお分かりいただけると思います.
南米チリのサンチアゴでの会議の後,チリ大学の先生の紹介で構造デザイナーとして活躍しているお嬢さんの事務所を訪問しました.場所は人口250万人のアルゼンチンのブエノスアイレスです.旧式ドックや倉庫を改装した新街区があり,南米の真っ青な空と澄み切った空気に15本ほど50階建てのビルが建ちならびヒルトンホテルを眺められる位置にその事務所があり,4階のベランダからドック越に建物を見ながら面談しました.このお嬢さんは,35歳程度で2人のかわいいお子さんをお持ちのお母さんで,カトリナさんといいます.
風荷重検討用も模型で説明を受けていると,なんとそれらの高層ビルのほとんどが彼女の手による構造設計でした.おまけにヒルトンホテルもそうでした.
建築業は男の世界と少し前には言われていましたが,実力主義の建築界では,女性技術者にも機会がいきわたっている現実に驚きました.
このように性別を問わず教育と技術を持つものがその果実を手にすることができます.ちなみに工学部本コースにおいても長崎大学で一番多い2名の女性教員に活躍していただいており,バランスの良い教育体制が整っております.
是非,本コースに入学を検討いただければ幸いです.
2017年度 コース主任教授 玉井 宏章