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追悼.玉井宏章教授

追悼.玉井宏章教授.

 

本年,8月1日に工学研究科構造工学コース玉井宏章教授が急逝されました.享年56歳でした.構造工学コースのコース長を務められていた玉井教授は,文字通り当コースの中心的な存在でした.彼を突然失った実際的な損失だけでなく,精神的な喪失感が我々を暗く覆っています.

玉井教授は,本年, 2017年2月に日本建築学会「鋼構造塑性設計指針」を前主査としてまとめられるほど精力的に活動されており,この内容を含む研究で,同年5月に本邦建築界の最高の名誉である「日本建築学会論文賞」を受賞されました.今後の建築界を強力に牽引するリーダーとしてご活躍されることが期待されているところでございました.

一方で,教育面においては,私立大学校での教育経験を生かした丁寧な講義と指導を実践されており,学生だけでなく多くの教員にも影響を及ぼしました.任侠映画「仁義なき戦い」の故菅原文太氏のような広島弁が印象的でした.時折,語気が荒くなることもあり,このあたりのお気持ちをお聞きしてみると,「怒気を持った自身自分の声に徐々に興奮してきて怒鳴るようになってしまう」と非常に冷静に分析されていたことが記憶に残っています.

高い理想をもって研究する崇高な姿勢,情熱と冷静さを併せ持つ教育法は,玉井教授からの大切な贈り物でありました.しかし,今となっては,彼と研究・教育を共にする機会は,永遠に失われてしまいました.

大きな支柱を突然失ってしまった構造工学コースは,かつてない危機にさらされています.教職員一同,この難局を乗り越えるために団結して運営にあたる所存です.学生諸君にあたってもより一層の自覚を持って,勉学・研究に邁進してください.この難しい状況を脱して,再び構造工学コースを輝かすことができれば,それこそが,玉井教授への恩返しになるのではないでしょうか.謹んで,ご冥福をお祈りいたします.

 

ここに,当コースを代表して,弔意を表します.

 

構造工学コース長代理 中原浩之

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