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2級建築士試験

 みなさん,こんにちは。安武研究室修士1年の竹村 潤です。今回は構造工学コースで建築業界を目指す学生が取り組んでいる「2級建築士」の資格試験について紹介します。構造工学コースは建築分野の授業の単位をある一定数取得すると学部卒業と同時に2級建築士の受験資格を得る事ができます。そのため、安武研究室ではほとんどの学生が修士1年の時期に受験に挑戦しています。2級建築士を取得すると,木造であれば高さが13m又は軒の高さが9m以内,鉄筋コンクリート造等であれば延べ面積300㎡,高さが13m又は軒の高さが9m以内の建築物を設計,工事監理することができます。つまり,就職後に比較的早く業務を遂行できるため,修士課程中に取得できれば,就職活動では大いに有利になります。

 では,2級建築士の試験内容について説明します。試験内容は建築に関わる知識を問われる「学科試験」と,実際に住宅を設計し,図面を書く「製図試験」に分かれます。

 学科試験は計画,法規,構造,施工の4教科で構成されています。各教科25問の1問1点方式で計100点満点の筆記テストです。例年,1教科14点以上,4教科合計で60点以上の条件を満たすことで学科試験は合格できます。学科試験の合格率は全受験者数の30%程度であり,難関です。余談ですが、今年の長崎大学の修士1年生は猛勉強の甲斐もあり,無事全員合格することができました。

 製図試験は学科試験を合格した人のみ受験することが出来ます。毎年,試験で設計する住宅のテーマは指定されており,今年のテーマは「景勝地に建つ土間スペースのある週末住宅(木造2階建て)」です。試験時に住宅の家族構成や周辺環境,要求される部屋が発表され,平面図,立面図,断面図,部分詳細図,屋根伏図と呼ばれる5種類の図面を5時間で書き上げなければなりません。製図試験を合格するには要求された図面を時間内に完成させ,なおかつ,試験官に十分な知識と技能を持って図面が作成されたと判断されることが条件となります。現在,私は製図試験を無事に終え,12月の合格発表を待つのみです。

 2級建築士の受験を通して,資格取得のための勉強と研究や授業との両立は大変でした。しかし,2級建築士の勉強で知識を身につけるにつれて,天井高やスロープ勾配,段差の高さ等の建築法規を理解し,実際の建築物と法規を関連づけて目を向けることが出来るようになりました。さらには,法規上の規定値と実際の建築物の高さや幅との比較から,その建物の設計の意図が理解できるようになりました。また,私の中で建築物に対する好奇心がより強くなったので,非常に良い経験となりました。今後とも勉学や研究に励み,より一層,建築に関する知識や技術を磨き,最終的には1級建築士となれるよう邁進していきたいと思います。

製図制作(断面図記入中)

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