S-CAFE

平成27年度 卒業論文・修士論文審査会

 

こんにちは。修士2年の安部知佳子です。先日は九州地区に大寒波が襲来し、長崎でも20センチ近くの積雪がありました。九州出身の私にとっては雪が珍しく、年甲斐もなく雪だるまを作りました。(下の写真は近所にあった雪だるまです)

  ゆきだるま

 

さて、今年も卒業論文と修士論文の発表が近づいてきました。今年は、学部4年生の発表が2月16日、修士2年生の発表が2月18日となっています。発表の形態は、構造工学コースの教員の方々の前で時間制限を設けて発表する形です。普段は着ないスーツを着ての発表なので、良い緊張感を持ちながらの発表に身が引き締まります。(※一般方への公開はされていませんのでご注意ください。)

 

 玉研 

     (※玉井研究室の様子です)

 

とはいえ今はまだ論文の執筆中で研究室にいる時間の半分は、ヒアリング内容の情報整理や文献から更に得られる情報を探し、もう半分は、得た資料をまとめつつ本論の制作といった流れで、生活を送っています。

 

ここで、私の研究を少し紹介したいと思います。私は安武研究室に所属し、主に都市計画や建築計画の研究を行っています。「人口減少期を見据えた炭鉱住宅地の閉山後の経年変化とその要因に関する研究」というテーマの下で、大学院に進学してから約2年間研究を行ってきました。このテーマは、石炭産業の全盛期に炭鉱労働者のために建設された「炭鉱住宅」に着目し、主に筑豊地域を調査対象としています。

 

筑豊地域の主産業は昭和40年代までは石炭産業でした。しかし、石炭から石油へのエネルギー転換期を迎え炭鉱が閉山を迎えたことにより、人口が急激に減少してしまいました。

そのように人口が減少してしまった炭鉱住宅地区の土地利用の変遷を追い、その要因を整理することで人口減少社会を迎える郊外住宅地域の新しい方針の一助とする目的です。

 

田川 炭住

   筑豊地域に現存している炭鉱住宅  

三笠     

   北海道に残存している炭鉱住宅 

美唄  

   北海道小学校跡地(アルテピアッツァ美唄)   

     

調査方法は、ヒアリングや市や町が発刊している町史・市史を使って炭鉱で実際に働いていた方から当時の生活の話を聞き、炭鉱閉山後の町の政策をまとめました。その後、昭和20年代から現在までの航空写真をもとに炭鉱住宅地区がどのように変容したのかCAD(図面を作成するパソコンソフト)を用いて面積の割合を出し、市町の政策が現在の炭鉱住宅地区にどのように効いているのかを分析しています。

 炭鉱の採掘は早いところで明治から始まっているので、古い資料から炭鉱住宅の情報を探すことや大量に得た情報の分類分けは難しく、もともと情報の整理が苦手な性格な私にとって、とても苦労した内容でした。

しかし、約二年間この研究を行ったことで、研究室の先生と同じテーマで研究している後輩と北は北海道、南は熊本まで多くの場所への視察へ同行させていただき、実際に炭鉱住宅地区を目で見たり当時の生活様式について聞いたりすることによって、空き家化や高齢化が進む地区の現状を目の当たりにしました。

この事例を研究することで、これから日本が迎える人口減少社会に少しでも役立つ研究になればいいなと思っています。

 

残り少ない日数ですが、納得ができる内容で仕上げられるように頑張りたいと思います。

 

 

 

 

 

 

 

プロフィール

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安部知佳子 修士2年

長崎大学 工学研究科  
建築計画・都市計画系 安武研究室 修士2年
安部 知佳子

「人口減少期の郊外住宅地の変遷」について研究を行っています。

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