S-CAFE

小菅修船場跡

こんにちは。学部3年の大島竣介です。

年の瀬も押し迫ってまいりました、皆様いかがお過ごしでしょうか。

 

私たち3年生は、現在、エンジニアリングデザインという授業に取り組んでいます。

この授業では、長崎市近郊の歴史的構造物を、構造工学コースで学んだ知識を用いて評価し、活用策・維持管理計画・アピール策等の検討を行います。

具体的な授業の内容としては、まずクラスで8チームに分かれ、各チームで対象とする構造物を決めます。その後、現地調査や解析、実験などを通して、対象構造物を100年後まで継承することを見越した、30年間の活用策、維持管理計画、アピール策の検討と提案を行います。そして最後に、コンペ形式の最終発表でプレゼンテーションを行います。

先月、11月25日には中間発表が行われ、先生方や先輩方から厳しくも的確なアドバイスを頂き、現在は最終発表に向けて準備を進めています。

構造工学コースでは強度計算や材料について学ぶ授業だけでなく、このような発表形式の授業を通して、企画力や分析力、プレゼンテーション能力、チームワーク力を磨いています。

 

ここからは、私たちのチームが調査を行っている、長崎市小菅町にある小菅修船場跡という世界遺産について紹介させて頂きます。

小菅修船場とは、明治元年(1869)に完成した、日本最古の煉瓦造りである曳揚げ小屋の中に、蒸気機関を動力とした曳揚げ装置を備えたドッグです。

この小菅修船場跡には幕末・明治初期のドッグや建築物がほぼ形を変えずに現存しており、明治日本の産業革命遺産 九州・山口と関連地域として2015年に世界遺産に登録されました。

ドッグにあった、船を載せるための台がソロバンのように見えたことから、ソロバンドッグとも呼ばれています。

 写真1

ドッグの様子

写真4

曳揚げ小屋

 

写真2

曳揚げ小屋の煉瓦

 

私たちのチームでは、この小菅修船場跡を観光地としてさらにアピールすることを目的として、小菅修船場跡が持つ構造工学的な価値や、観光客を呼び込む手段、方法について検討しています。

具体的には、船を引き上げるための歯車を片持ち梁としてモデル化し強度計算を行い、当時どれだけの重さの船を曳き揚げることができたのか、また、現在の歯車の規格との相違点、さらにその違いが生じた理由について調査しています。

片持ち梁とは、片側の端だけが固定されており、もう一方の端が固定されていない梁のことです。

このように、私たちが講義で学んできた構造力学や材料力学の知識を用いることで、歯車の強度計算を行うことができます。

並行して小菅修船場跡を訪れた観光客の方々を対象にアンケート調査を行い、観光地として盛り上げる方法について検討しています。

 

写真3 

曳揚げに使用する歯車

 

この活動の中で、長崎市に住んでいる人々でも小菅修船場跡の存在を知らない人や、存在は知っていても世界遺産に登録されたことを知らない人が多いことが分かりました。

 

小菅修船場跡では、幕末、明治期の建築物と工業を同時に間近で見て、学ぶことができます。私は、今から100年以上も前にこんなにも現代的な技術があったのかと驚き、また現在まで良好な状態で保存されていたことに感動を覚えました。

小菅修船場跡は、平日も見学可能ですが、土日祝に限って地元の自治体の方々がボランティアで観光案内を行っており、曳揚げ小屋の内部を見学することが出来ます。尚、入場料は無料です。

皆さん、是非一度見学に行かれてみてはいかがでしょうか。

 

2015年も残すところあと僅かとなりました。

今年も構造工学コース、そしてS-Cafeが様々な活動を無事に終えることができたのも、皆様のご支援のおかげです。来年も構造工学コースを紹介する記事を更新していく予定ですので、どうぞよろしくお願い致します。

それでは、良いお年をお過ごしください。

 

参考文献:「明治日本の産業革命遺産 九州・山口と関連地域/構成資産」<www.kyuyama.jp/kyushuyamaguchi/ky_nagasaki_01.html> 2015年12月17日アクセス

 

 

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