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長崎大学広報誌CHOHOについて

 長崎大学広報誌CHOHOの第42号を今年1月に発行いたしました。高校生の皆様は,各高校に配布しているCHOHOをご覧ください。冊子でご覧になれない場合は,長崎大学のホームページに掲載されています。是非ご覧になって,感想をお寄せいただきたいと思います。(創刊号からすべてのCHOHOを長崎大学のホームページでご覧になれます。)

平成14年10月の創刊号の発行から約10年,現在まで編集長を務めています。10年も経ったのかという思いと,まだ10年の歴史しかないのかという思いが交錯しています。振り返ってみると,創刊にあたっては,その前の準備段階から,今では考えられないようないろいろな出来事がありました。

「ホームページなど電子媒体の時代に,わざわざ紙媒体の広報誌を発行する必要性とその意義はあるのか。」 「広報にお金を使うくらいなら研究費にまわしてほしい。」など,一部の教員ですが、なかなか理解が得られませんでした。一方,当時の事務方からは,「そもそもそのような広報誌は,大学として前例がない。」 それに対して,「前例がないというのは,事務方が使う常套句。いつもあなた方はそういって逃げてしまう。これから長崎大学にとって、広報が重要になるという時に,しかもこれから大学が法人化するという時に,前例がないからこそ,やる意義があるのではないですか。そのような低い意識レベルでは,法人化後はやっていけないでしょう。」と私。「いや,法人化後のことは,法人化してから考えればよい。法人化後にはそれなりに対応する。」 「今準備してなくて,どうして法人化後に対応できるといえるのですか。」・・・といったわけのわからないやり取りなど,喧々諤々,時には喧嘩状態になることもありました。何事も「前例がない」の一言で片づけられた腹立たしい出来事も,時間が経てば懐かしい思い出に変わりつつあります。

やっと創刊に辿りつけたのは,平成14年10月に学長に就任された 齋藤 寛 先生の絶大なるご支援と編集委員会のメンバーに恵まれたおかげです。停年退職で数人の先生は編集委員会から抜けられましたが,コアメンバーは当初と変わらず,今も活躍いただいております。

最初は3000部からのスタートでした。CHOHOのコンセプトは,「高校生とその親御さんに長崎大学の良さを知っていただくための広報誌」です。この基本コンセプトは今も継続しております。回を重ねるごとに,CHOHOの内容も充実し,それなりの評価をいただけるようになり,7,500部,10,000部と次第に発行部数も増やしてまいりました。1月,4月,7月,10月の年4回の発行で,現在は毎号10,000部,特集等の内容によっては14,000部を印刷して配布しております。配布先は,学内の教職員,名誉教授はもちろん,九州内の高等学校と高専,長崎県内官公庁関係,長崎県内の銀行,長崎市とその周辺の医院,診療所,各国立大学関係,長崎大学の同窓会関係などです。

平成22年4月1日には,現学長 片峰 茂 先生の肝いりで「長崎大学広報戦略本部」が発足いたしました。広報戦略本部は学長直属の組織で,私は広報戦略副本部長を拝命し,CHOHOの編集長として一段と責任が重くのしかかってきました。広報戦略本部のような広報専門の組織の立ち上げの必要性についても,10年前に私が強く提案していたことですが,やっとそのような組織ができたことを大変うれしく思います。

広報戦略本部では,学内から有能な人材を選抜し,また,学外から広報の専門家に来ていただき,発足からわずか3年ですが,「長崎大学リレー講座」をはじめとする多くの素晴らしい企画と実績を着実に積み重ねてきています。

広報戦略本部に所属するスタッフの皆様には,CHOHO編集委員としても参加いただいております。広報戦略本部という新たな組織とCHOHO編集委員会の拡充にともない,これまでの基本コンセプトは踏襲しつつも,CHOHOは読者層を受験生に限らず,一般市民を対象にした情報誌として新たに生まれ変わることになりました。また,プロのライターの川良真理さんやデザイナーの三浦秀樹さんにも編集会議に参加していただき,毎号,より充実したCHOHOをお届けできるように,印刷直前まで熱い議論を重ねています。

第36号(平成23年7月発行)から表紙のデザインも含め,大きくチェンジいたしました。それまでのCHOHOは,どちらかというと素人の手作りのあたたかみが持ち味である一方,どこか洗練されていない印象がありました。表紙の写真,文章,レイアウトいずれをとっても,やはり,プロの存在の大きさを改めて認識している次第です。

10年ひと昔といいますが,ほんとうに時代の流れを感じます。そろそろ,若手の編集長にバトンタッチする時期にきていますが,なかなか編集長を退任させてもらえません。私に要請があるうちは,天の声とあきらめ,老体に鞭打ってがんばるしかないのでしょう。

これからも、皆様方の「長崎大学広報誌CHOHO」へのあたたかいご支援,それとともに、「構造工学コース」への絶大なるご支援と応援をよろしくお願いいたします。

プロフィール

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教授 原田哲夫

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