キャンパスライフ

在校生メッセージ

長岡 康平 Kohei Nagaoka
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本気でするから誰かが助けてくれる

・受験の動機

私が一級建築士を取得しようとした経緯は,就職後にできるだけ早く実務に携わりたいと思ったからです。受験を決意したとき,私は就職活動(ハウスメーカー)を行っており,企業で経験を積んで将来的には事務所を立ち上げることも視野に入れています。それを実現するため最初の段階として大学院の間に資格を取得しておく必要がありました。実際には資格を持っているからといってすぐに設計の仕事ができるわけではありませんが,就職時に資格を持っていなければ実務どころではなく,資格取得の為に時間と労力を費やすことになると思います。入社後にできる限り早く実務に携わりスキルアップするため,いち早くステップアップするために資格取得を決断しました。

 

・受験勉強について

〇学科試験

学科に関しては,問題集や模擬試験の問題等を繰り返し解き,一つ一つの選択肢についてテキストを使って徹底的に理解することを意識しました。もちろん,暗記することも重要だと思いますが,私の場合は暗記するというよりも,理解する過程を繰り返すことで自動的に暗記できている,その結果,本番では少しひねられた問題にも対応することができました。個人的には,隙間時間などで赤シートや単語帳のようなものを使って覚えるよりも,時間を確保して問題と解説とテキストを集中的にやり込む方が良いと思います。学科試験は追い込みが本当に効くので試験前日まで気持ちを切らさずその時点でできる全力を尽くせば,前日だけでも10点上げることは可能です。

〇製図試験

製図に関しては,講師の方の指導,アドバイスをとにかく素直に受け入れ実行しました。エスキスについては,二級建築士の製図試験対策の経験から私は他の受講生よりもエスキスに時間を要することを懸念していました。そのため,まずはエスキスの手が止まる時間を減らすことを意識し,解答例や他の受講生の図面から良いところを盗むこと,プランを考える際の引き出しを増やすことで対応しました。ただ,二級建築士と違い一級建築士の製図は丸暗記や解き方をパターン化するだけでは対処できず,設備,構造,要求室の本質等あらゆることを加味してプランを練らなければなりませんでした。そのため,後半戦は理解することに専念し数をこなすことで,難解な設計条件への対応能力が出来る限り身に付くよう心掛けました。作図については,一級建築士は初受験であったため,初回の講義では二級建築士との違いに絶望しました。作図スピードを上げるために,作図中は頭を空にし,決めたルールに沿ってただ書く作業を行うようにすることで,図面内での移動,各作図ステップ間の無駄な一瞬をなくしました。また,可能な限りフリーハンドで書くことにも挑戦しました。結果,試験本番では明らかに作図開始予定時間を超過していましたが,最低限の図面を書くことができたと思います。しかし,試験本番を含め、全ての設計条件を完璧に満たすことにこだわってしまったこと,本番力が足りていなかったことが招いた結果だと反省しているので,練習の段階から時間配分,エスキスで上手く妥協すること等を意識しながら,常に本番のつもりで取り組むといいと思います。製図試験は本番の運もあると言われていますが,努力でカバーできると思います。

 

・後輩へのアドバイス

私は,大学院1年で二級建築士を取得し,大学院2年で一級建築士を取得しました。続けて受験したことにより,学科では,二級建築士で学んだことが記憶に残っていたため土台がある状態で新しい内容を積み重ねるというイメージで学習できました。製図では,作図の動きやスピード感を体が覚えていたため,作図に関してはすぐに他の受講生に追いつくことができたと思います。そのため,経済的に可能であれば,研究との兼ね合いについて担当教員とよく相談した上で連続受験することをお勧めします。逆にいきなり一級建築士に挑戦する場合,製図は短期間で仕上げる必要がある上,二級建築士の製図よりもはるかに難易度が高く作図に慣れるだけで精一杯になる可能性もあるため,個人的にはあまりお勧めしません。どちらを受験するにしても大学院1年の場合は就職活動の前になると思います。プランニング・設計が就職活動の不安要素になっている方もいると思いますが,製図試験対策では最低限の基礎を身に付けることができるので,受験自体がプラスに働くことは間違いありません。

 

・最後に

私は一級建築士を受験する上で,「必ず受かる」ということだけを考えて過ごしました。必ず受かるためにどうすればよいかを常に考え,周りの友人にもその決意を示すことで,自分自身を追い込むことができました。その環境の中で素直に努力できたことが合格につながった要因の一つだと思います。しかし,私が合格することができた一番の理由は,同級生,研究室のメンバーや先生,家族の応援,支えがあったからだと思います。みなさんの応援,支えが無ければきっと努力を続けることはできなかったし,一人の力では合格はあり得なかったと思います。本当に感謝しています。ありがとうございました。